スヴァラ歯科Blog
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スポーツとマウスガード③
(2019年11月24日 2:42 PM更新)
スポーツ時におけるマウスガード(マウスピース、以下MG)は外傷の予防に効果があること、部活動中でもスポーツにおける外傷が起こることを前回書きました。
今回はMGを装着することで外傷予防以外の効果について書きます。
皆さんは重量挙げの選手がMGをしているのを見たことがありますか?
もちろん物凄い力が歯に加わるために保護しているのですが、それだけではありません。
重いものを持ち上げる ⇔ 食いしばる
(全身運動機能) (咬筋活動)
力強く噛むことによってパワーを最大限まで発揮しようとしているのです。
これは
Remote Facillitation (遠隔促通)というもので
「ある部位の筋の強い収縮は離れた部位の筋の興奮性を増加させる」
皆さんも食いしばってみると頬の後ろにある咬筋という筋肉が張るのがお分かりになるかと思います。
その時に離れた部分のふくらはぎのヒラメ筋にも力が入るのです。
プロレスラーの丸藤正道選手が自身のブログでMG装着未装着時の握力を比較していますね(^^)
「マウスピース 握力」でグーグル検索をすると出てきますので詳細はそちらで・・・
大相撲でもMG装着の力士が増えてきているそうです。
(日本人力士と体格の差がほとんどないモンゴル勢が安定して強いのは巷で言われているようなハングリー精神ではなくて、彼らのほとんどがMG装着ているからだそうです)
体の軸の安定性、関節を必要な時にがっちりと固定できる、パワー系の筋力が必要とされる
以上のような力・バランス系の競技アスリートでは噛む力と奥歯の接触面積が強く影響するものと考えられます。
では、他の競技でMGをしている人はファッションで?
いいえ、そんなことはありません。
MGの有用性はまだあるのです。
続きは次回に♪
スポーツとマウスガード②
(2019年11月9日 1:52 PM更新)
ラグビーワールドカップの興奮もようやく落ち着いてきましたね。
今回はスポーツの時になにゆえマウスガード(マウスピース、以下MG)を装着するのかということを書きます。
皆さんでも分かりやすいのが外傷の防止だと思います。
もちろん正解です♪(^^♪
写真上はロンドン五輪で金メダルを獲得した村田諒太選手。
下はカンムリワシと異名をとった元WBA世界ライトフライ級チャンピオン具志堅用高氏。
MGはボクシングにおいては名作漫画「あしたのジョー」でも描写があります。
ただ、1990年くらいまでのボクシングのMGはオリンピック選手でもバケツの中に浮かんでいるものの中から自分に合うものを選んで装着していたそうです・・・(-_-;)
閑話休題
スポーツにおいて外傷を受けるとパフォーマンスが低下するのはもちろんですが、その影響が継続してしまうのです。
ちなみに国際歯科連盟(FDI)の調査ではMGを未装着の場合は口腔外傷のリスクが1.6~
1.9倍高くなると報告しています。
スポーツ選手の多くは「自分は大丈夫」と思っていることも怪我につながりやすいかもしれません。
でも、スポーツ選手だけでなく学校の部活レベルでもスポーツ時の口腔外傷は多いのですよ~
MGはスポーツ時の口腔外傷の予防にもつながりますが、効果はそれだけではないのです♪
次回はそのほかの効果について書きます。
スポーツとマウスガード①
(2019年10月28日 7:08 PM更新)
ラグビーワールドカップが盛り上がっていますね。
決勝は最強軍団オールブラックスを撃破したイングランド対地元開催日本の夢を打ち砕いた世界最強フィジカル軍団の南アフリカという素人でも熱戦が予想される好カードですね!
今まで興味を持たなかった方がラグビーの面白さに気が付き、いわゆる「ニワカ」ファンが増加中とのこと。(私もですが・・・( *´艸`) )
ここからが本題です。
スクラムやタックルなどのあれだけ激しい身体同士の当りがあるにもかかわらず、ラグビーは成年の国際大会ではマウスガード(マウスピース、以下はMGと標記)が義務化していないんですよ~。
完全義務化されているスポーツは
ボクシング、キックボクシング、総合格闘技、アメフト、ラクロスなど
ラグビーも含めて空手やアイスホッケーなども完全義務化していない状態です。
意外ですね!
写真は激戦となったスコットランド戦でトライを決めた福岡堅樹選手です。
彼のお父様は歯科医師なので息子のために作成したMGかもしれませんね♪
当院でも大学スポーツで活躍するセミプロ級の選手から、ジュニア、サンデープレイヤーといった様々なレベル・競技の方のMGをカスタムメイドで作成しております。
(日本スポーツ歯科医学会認定のMG作成講座を受けて作成しております)
次回はMGを何のために装着するのかという話をいたします。
砂糖の健康リスクは虫歯だけじゃなかったのです
(2019年10月2日 2:17 PM更新)
砂糖は虫歯の原因というのは昔からよく知られたことでした。
しかしながら、最近の研究ではもっと「死」に直結するリスクが高いことが分かりました。
https://www.whitecross.co.jp/articles/view/1407
コンビニで売っているドリンクなどには「~水」とか「~ウォーター」などと透明の飲料が売られていますが、よくみると香料はもちろん砂糖をはじめとする様々な甘味料などの添加物があるので注意が必要ですね。
ならば「砂糖ではない人工甘味料であれば問題が無いのでは?」との疑問をお持ちの方もいらっしゃることと思います。
次回は人工甘味料について書きます。
歯並びと認知症の関係
(2019年9月23日 6:10 PM更新)
先日の日本病巣疾患研究会総会でも発表されていた認知症専門医の長谷川嘉哉先生のブログから引用です。
認知症の専門医の立場から歯並びと認知症の関係を詳しく説明されております。
成人の矯正も見た目だけでなく、認知症予防にも効果がある点で画期的ですね。
現在は4人にひとりが高齢者の社会ですが、もう少しすると4人にひとりが認知症という時代がやって来ます。
国も今年になって認知症をいかに緩やかにするかという目標を掲げました。
当院へ通われる患者さんにはひとりでも多くそうならないように私も精進致します。