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歯磨き粉の成分 ~ラウリル硫酸ナトリウム~

(2024年10月12日 6:00 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

今回は市販の多くの歯磨き粉に含まれる成分のひとつ、ラウリル硫酸ナトリウムについて書きます。

 

 

はじめに

皆さんは、普段使っている歯磨き粉の成分について、どれくらい知っていますか?

特に、よく耳にする「ラウリル硫酸ナトリウム」という成分。

この成分は、歯磨き粉の泡立ちをよくする界面活性剤として広く使われていますが、一方で「体に悪い」という噂も耳にすることがあります。

今回は、このラウリル硫酸ナトリウムについて、歯科医師の視点から詳しく解説していきます。

 

 

ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)とは?

ラウリル硫酸ナトリウム(SLSとも呼ばれます)は、石油を原料とした合成界面活性剤の一種です。

水と油を混ぜ合わせる働きがあり、歯磨き粉の泡立ちをよくしたり、汚れを落とす効果を高めるために使用されている合成界面活性剤です。しかし、一方で、その安全性については様々な議論がされています。

 

 

 

 

SLSの安全性に関する懸念点

 

  • 口腔粘膜への刺激: SLSは、口腔粘膜を刺激し、口内炎や味覚障害を引き起こす可能性が指摘されています。特に、敏感肌の人や、口腔内に傷がある場合は、症状が悪化する可能性があります。
  • アレルギー反応: 一部の人の場合、SLSに対してアレルギー反応を起こすことがあります。皮膚のかゆみ、赤み、腫れなどの症状が現れることがあります。
  • 皮膚への影響: 長期的にSLSに接触することで、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や敏感肌を引き起こす可能性が指摘されています。
  • 環境への影響: SLSは生分解性が低く、環境中に残留し、水生生物に悪影響を与える可能性があります。
  • 眼への影響: 目に入った場合、強い刺激となり、角膜損傷などの原因となる可能性があります。

 

 

 

SLSの毒性に関する研究

SLSの毒性に関する研究は数多く行われていますが、その結果は様々です。

動物実験では、高濃度のSLSを摂取させると、内臓への悪影響や発がん性が見られるという報告もありますが、ヒトへの影響については、明確な結論が出ていません。

 

 

 

 

SLSを含む製品の使用に関する注意点

 

  • 口腔内の状態に合わせた選択: 口腔内に傷がある場合や、敏感肌の人は、SLSを含まない製品を選ぶ方が良いでしょう。
  • 使用量に注意: 必要以上の量を使用すると、口腔粘膜への刺激が強まる可能性があります。
  • すすぎをしっかりと: 使用後は、口の中をしっかりとすすぐようにしましょう。
  • 眼に入らないように注意: 目に入った場合は、すぐに流水で洗い流し、医師に相談しましょう。
  • 乳幼児への使用: 乳幼児の皮膚は大人に比べて薄く、敏感であるため、SLSを含む製品の使用は避けるべきです。

 

※上記の説明を読んで心理的に気になる方はSLSを含む製品不使用の方が良いのでは、と個人的には思います。

 

 

 

SLSフリー製品を選ぶメリットとデメリット

 

  • メリット: 口腔粘膜への刺激が少なく、アレルギーのリスクも低い。
  • デメリット: SLSを含んだ製品に比べて、泡立ちが少なく、洗浄力が弱い場合がある。価格がやや高くなる場合もある。

 

 

まとめ

SLSは、その強力な洗浄力から多くの製品に使用されていますが、安全性についてはまだ完全には解明されていません。特に、敏感肌の人や口腔内に傷がある人は、SLSを含む製品の使用には注意が必要です。

 

歯科医院として、患者さまには以下のことをお伝えしています。

  • 歯磨き粉を選ぶ際は、成分表示をよく確認し、自分の口腔内の状態に合った製品を選ぶこと。
  • SLSだけでなく、他の成分についても注意深く選ぶこと。
  • 歯磨き粉選びに迷った場合は、歯科医師に相談すること。
  • 定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の健康状態を把握し、適切なケアを受けることが重要です。

 

 

その他

  • SLS以外の界面活性剤: SLSの代わりに使用される界面活性剤には、ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルアラニンNaなどがあります。これらの成分は、比較的肌への刺激が少ないとされています。
  • 天然由来の界面活性剤: 植物由来の界面活性剤は、環境への負荷が少なく、肌への刺激も少ないとされています。
  • オーラルケア製品の選び方: 歯磨き粉だけでなく、マウスウォッシュや歯磨き粉も、成分表示をよく確認して選びましょう。

練馬区石神井公園のスヴァラ歯科では、患者さま一人ひとりに合った口腔ケアのご提案をいたします。

お気軽にご相談ください。

 

 

 

より専門的な情報を知りたい方へ

 

  • 日本医薬品添加剤協会: ラウリル硫酸ナトリウムに関する詳細な情報が掲載されています。
  • 厚生労働省: 化学物質に関する情報が掲載されています。

 

これらの情報も参考にして、より深くSLSについて理解を深めてください。

 

 

免責事項

本記事の内容は、あくまでも一般的な情報であり、個々の症状や状態に対する医学的なアドバイスではありません。

 


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レッドコンプレックスの毒素

(2024年9月28日 7:38 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回は、歯周病を引き起こす主な原因菌のグループである「レッドコンプレックス」の害について説明しました。

今回はレッドコンプレックスの害の源である毒素について説明していきます。

 

 

レッドコンプレックスの毒素の多様性とメカニズム

 

レッドコンプレックスの毒素の多様性

レッドコンプレックスを構成する細菌は、それぞれが異なる種類や量の毒素を産生します。これらの毒素は、歯周組織を破壊し、全身に影響を与える多様な機能を持っています。

 

1. タンパク質分解酵素

  • コラーゲン分解酵素: 歯周組織の骨を構成するコラーゲンを特異的に分解し、歯周ポケットを深めます。
  • エラスチン分解酵素: 血管壁の弾力性を維持するエラスチンを分解することで、動脈硬化を促進し、血管の脆弱化を引き起こします。
  • フィブリン分解酵素: 血栓を溶かすフィブリンを分解することで、出血のリスクを高め、創傷治癒を遅延させます。
  • その他のタンパク質分解酵素: 免疫細胞の機能を阻害したり、組織修復に必要な成長因子を分解したりするなど、多様なメカニズムで組織破壊に関与します。

2. 内毒素

  • リポ多糖 (LPS): 免疫細胞の受容体に結合し、強力な炎症反応を引き起こします。この炎症反応は、血管内皮細胞を損傷させ、組織破壊を促進するだけでなく、全身性の炎症反応を引き起こす可能性もあります。
  • ペプチドグリカン: 細菌の細胞壁を構成する成分で、免疫細胞を刺激し、炎症反応を誘発します。

3. 酵素

  • ヒアルロニダーゼ: 結合組織を構成するヒアルロン酸を分解し、組織の透過性を高めます。これにより、他の毒素や細菌が組織深部へ侵入しやすくなります。
  • プロテアーゼ: 様々なタンパク質を分解し、組織破壊を促進するだけでなく、細胞のシグナル伝達を阻害し、細胞の機能を損なう可能性があります。

4. 揮発性硫黄化合物

  • メチルメルカプタン: 口臭の原因となるだけでなく、神経細胞を損傷させ、神経変性疾患のリスクを高める可能性があります。
  • 硫化水素: 血管内皮細胞を損傷させ、動脈硬化を促進するだけでなく、ミトコンドリアの機能を阻害し、細胞のエネルギー産生を抑制します。

 

 

 

レッドコンプレックスの毒素がもたらす多様なメカニズム

レッドコンプレックスの毒素は、様々なメカニズムで歯周組織や全身に影響を与えます。

 

  • 直接的な組織破壊: タンパク質分解酵素などが、歯周組織を直接分解し、歯周ポケットを深めます。
  • 炎症反応の誘発: 内毒素などが、免疫細胞を刺激し、炎症反応を引き起こします。
  • 血管内皮細胞の損傷: 毒素が血管内皮細胞を損傷させ、血管透過性が増大し、浮腫や出血を引き起こします。
  • 免疫系の調節異常: 毒素が免疫系のバランスを崩し、自己免疫疾患やアレルギー疾患の発症リスクを高めます。
  • 酸化ストレス: 毒素が活性酸素種を産生し、細胞を酸化損傷させます。
  • 神経系の影響: 毒素が神経細胞にダメージを与え、神経変性疾患や認知機能の低下を引き起こす可能性があります。

 

 

レッドコンプレックスの毒素の複雑な相互作用

レッドコンプレックスの毒素は、単独で作用するだけでなく、他の毒素や宿主の免疫系と複雑に相互作用します。例えば、ある毒素が免疫系を抑制することで、他の毒素がより容易に組織に侵入し、感染を拡大させることがあります。

 

 

今後の展望

レッドコンプレックスの毒素に関する研究は、日々進展しており、新たな知見が得られています。これらの知見に基づいて、より効果的な歯周病の予防と治療法が開発されることが期待されます。

まとめ

レッドコンプレックスの毒素は、その多様性と複合的な作用によって、歯周病の進行を加速させ、全身の様々な臓器に影響を与えることが明らかになっています。歯周病は、単なる口腔内の問題ではなく、全身の健康に深く関わる疾患であることを理解することが重要です。


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レッドコンプレックスの害

(2024年9月13日 8:56 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回は、歯周病を引き起こす主な原因菌のグループである「レッドコンプレックス」について、その概要を説明しました。

今回は、レッドコンプレックスがどのように形成され、歯周病でどのような深刻な口腔疾患を引き起こすのか、さらには全身への悪影響についてより深く掘り下げていきます。

 

 

 

レッドコンプレックスの形成と進化

 

私たちの口腔内には、数百種類、もしかしたらそれ以上の種類の細菌が共存しています。これらの細菌は、歯の表面にバイオフィルムと呼ばれる膜を作り、コミュニティを形成します。このバイオフィルムの中で、特に強力な病原性を示すのが、レッドコンプレックスと呼ばれる3種類の細菌です。

 

  • ポルフィロモナス・ジンジバリス (P. gingivalis):歯周ポケットの深い部分に生息し、歯周組織を破壊する酵素を分泌します。レッドコンプレックスの中でも悪さのレベルではボス格の細菌と考えて良いでしょう。
  • トレポネーマ・デンティコーラ (T. denticola):らせん状の細長い形状で、歯周ポケットの奥深くまで侵入し、他の細菌と協力して組織を破壊します。
  • タネレラ・フォーサイシア (T. forsythia):P. gingivalisと協力して、歯周組織を破壊し、炎症を悪化させます。

これらの細菌は、単独で存在するよりも、互いに協力し合い、より強力な病原性を発揮します。

例えば、P. gingivalisは、他の細菌の生育を促進する物質を分泌し、レッドコンプレックスの形成を促します。

 

 

 

レッドコンプレックスが引き起こす歯周病

 

レッドコンプレックスは、以下のメカニズムによって歯周病を引き起こします。

 

  • バイオフィルムの形成: レッドコンプレックスは、歯の表面にバイオフィルムを形成し、その中で増殖します。このバイオフィルムは、歯ブラシなどで簡単に除去できないため、歯周病を悪化させます。
  • 毒素の産生: レッドコンプレックスは、歯周組織を破壊する酵素や、炎症反応を引き起こす毒素を産生します。これらの毒素は、歯周組織を溶かし、歯を支えている骨を吸収します。
  • 免疫系の抑制: レッドコンプレックスは、私たちの免疫系を抑制し、体の防御機能を低下させます。そのため、体はレッドコンプレックスの攻撃に対して十分に対抗することができず、歯周病が進行してしまいます。
  • 骨の吸収: レッドコンプレックスが産生する毒素によって、歯を支えている骨が吸収され、歯がぐらつくようになります。

 

 

 

 

レッドコンプレックスが全身に及ぼす影響の詳細

 

レッドコンプレックスは、口腔内の問題にとどまらず、全身に広範囲な影響を及ぼすことが明らかになっています。そのメカニズムは、まだ解明されていない部分も多いですが、これまでの研究から以下のことがわかっています。

 

  • 1. 心血管系への影響
  • 動脈硬化の加速: レッドコンプレックスが産生するリポ多糖(LPS)などの毒素は、血管内皮細胞を損傷させ、動脈硬化を加速させます。この過程は、アテローム性動脈硬化と呼ばれる動脈硬化の主要なタイプに深く関わっています。
  • 血栓形成のリスク増大: レッドコンプレックスは、血液凝固系を活性化し、血栓形成のリスクを高めます。血栓が血管を詰まらせると、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があります。
  • 感染性心内膜炎: レッドコンプレックスが血液中に侵入し、心臓の内膜に感染すると、感染性心内膜炎を引き起こします。この疾患は、心臓弁膜症や心不全を引き起こす可能性があります。

 

 

  • 2. 代謝系への影響
  • 糖尿病の発症・悪化: レッドコンプレックスは、インスリン抵抗性を高め、血糖値を上昇させることで、糖尿病の発症や悪化に関与します。また、歯周病は、糖尿病患者の血糖コントロールを困難にすることが知られています。
  • 肥満との関連性: 歯周病と肥満の間には、複雑な相互関係があります。歯周病が肥満を促進する可能性がある一方で、肥満が歯周病を悪化させる可能性も指摘されています。
  • 脂質代謝異常: レッドコンプレックスは、脂質代謝を乱し、高脂血症を引き起こす可能性があります。高脂血症は、動脈硬化のリスクを高める要因の一つです。

 

 

 

  • 3. 神経系への影響
  • アルツハイマー病: レッドコンプレックスが産生する毒素が、血液脳関門を通過し、脳内に侵入することで、神経細胞を損傷させ、アルツハイマー病の発症に関与する可能性が指摘されています。
  • うつ病: 一部の研究では、歯周病とうつ病の間に関連性があることが示唆されています。慢性的な炎症が脳の機能に影響を与え、うつ症状を引き起こす可能性があります。

 

 

 

  • 4. 免疫系への影響
  • 慢性炎症: レッドコンプレックスは、慢性的な炎症反応を引き起こし、免疫系のバランスを崩します。この慢性炎症は、様々な疾患の発症に関与すると考えられています。
  • 自己免疫疾患: レッドコンプレックスが、関節リウマチや炎症性腸疾患などの自己免疫疾患の発症に関与している可能性も指摘されています。

 

 

次回以降レッドコンプレックスの毒素について、も書く予定です。


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レッドコンプレックスとは?

(2024年8月26日 8:25 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回はマウスウオッシュとレッドコンプレックスへの効果について書きました。

今回はレッドコンプレックスって何?ということについて書きます。

 

 

レッドコンプレックス:あなたの歯周病を悪化させる見えなくて恐ろしい敵

レッドコンプレックスとは何か?

「レッドコンプレックス」という言葉は、歯周病の分野で頻繁に耳にする用語ですが、その恐ろしさを深く理解している人は多くないかもしれません。

これは、歯周病の進行に深く関わっている3種類の細菌の総称であり、その強力な病原性から、歯周病の悪化に最も深く関与している存在として注目されています。

なぜ「レッドコンプレックス」と呼ばれるのか?

この名前には、これらの細菌の恐ろしい特徴が凝縮されています。

1. 血への異常な執着

これらの細菌は、まるで吸血鬼が血を求めるかのように、歯周ポケット内の出血に強く惹きつけられます。歯周病が進むと、歯と歯肉の間に隙間(歯周ポケット)ができ、出血しやすくなります。この出血から染み出るヘモグロビンという赤い色素に含まれる鉄分が、これらの細菌にとって格好の栄養源となるのです。鉄分は、細菌の増殖に必要な重要な栄養素であり、この鉄分を豊富に含む血液を栄養源とすることで、これらの細菌は爆発的に増殖します。

2. 複合的な攻撃性

レッドコンプレックスを構成する3種類の細菌は、単独で作用するだけでなく、互いに協力し合い、歯周組織を破壊するという高度な戦略を持っています。まるで一つの組織のように連携して活動するため、「複合体」という言葉が使われています。

  • ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌):レッドコンプレックスのリーダー的存在。強力な毒素を産生し、歯周組織を破壊するだけでなく、他の細菌の攻撃を助ける働きも持っています。Pg菌は、歯周ポケット内にバイオフィルムと呼ばれる細菌の膜を作り出し、その中で他の細菌と共生することで、外部からの攻撃から身を守りながら、より効率的に歯周組織を破壊します。
  • タンネレラ・フォーサイシア(Tf菌):Pg菌と共生し、Pg菌の活動を助けながら、歯周組織を破壊します。Tf菌は、Pg菌が産生する毒素の働きを強化する物質を産生し、歯周組織の破壊を加速させます。
  • トレポネーマ・デンティコーラ(Td菌):らせん状の形状で歯周組織に深く食い込み、他の2つの菌と協力して、歯周組織を破壊します。Td菌は、歯周ポケットの深い部分に生息し、他の細菌が到達できないような場所でも感染を広げることができます。

 

これらの3種類の細菌は、それぞれ異なる役割を果たしながら、互いに協力することで、歯周組織に対する攻撃力を高めています。

3. 生存戦略の巧妙さ

レッドコンプレックスは、単に歯周組織を破壊するだけでなく、自身の生存戦略も非常に巧妙です。

  • バイオフィルムの形成: Pg菌を中心に、バイオフィルムと呼ばれる強力な膜を作り出し、その中で他の細菌と共生することで、外部からの攻撃から身を守ります。このバイオフィルムは、抗生物質や免疫細胞の攻撃を効果的に防ぎ、細菌の生存を可能にします。
  • 遺伝子変異: レッドコンプレックスを構成する細菌は、環境の変化に適応するために、頻繁に遺伝子変異を起こします。この遺伝子変異によって、抗生物質に対する耐性や、新しい種類の毒素を産生する能力を獲得し、より強力な病原体へと進化していきます。

 

 

レッドコンプレックスの恐ろしさを理解する

レッドコンプレックスは、単なる細菌の集まりではなく、高度な戦略を持ち、絶えず進化を続ける恐ろしい存在です。これらの細菌は、歯周病を引き起こすだけでなく、全身の健康にも深刻な影響を与える可能性があります。歯周病菌は、血管内に入り込み、心臓病、糖尿病、肺炎などの全身疾患を引き起こす原因となる可能性があります。

まとめ

レッドコンプレックスは、歯周病の悪化に最も深く関与している存在であり、その恐ろしさは、単なる細菌のレベルを超えています。

これらの細菌の巧妙な生存戦略と強力な病原性は、歯周病治療の難しさを物語っています。

しかし、適切な口腔ケアを行うことで、レッドコンプレックスの活動を抑制し、健康な歯を守ることができます。

口の中の環境は悪化するのは早く、良い状態にするには時間と手間がかかります。

石神井公園のスヴァラ歯科では、特に不具合を感じていない時からしっかりと歯周病治療・予防・メンテナンスをすることを推奨しています。

次回もレッドコンプレックスについて書ていきます。


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マウスウオッシュとレッドコンプレックス

(2024年8月7日 12:04 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回はマウスウオッシュの薬効成分にについて書きました。

今回はマウスウオッシュとレッドコンプレックスへの効果について書きます。

 

 

マウスウォッシュとレッドコンプレックス~最新の研究成果から迫るメカニズムと効果~

近年、歯周病研究においてレッドコンプレックスに対する更なる知見が得られ、そのメカニズムとCPCの効果が注目されています。

レッドコンプレックスは、歯周病悪化の主要因とされる3種類の細菌の集合体であり、従来の抗菌薬では効果が得にくいという課題がありました。

しかし、CPC(塩化セチルピリジニウム)は、レッドコンプレックスに対する高い抗菌作用と、歯周組織の炎症抑制効果を持ち、歯周病治療における新たな希望となっています。

1. バイオフィルムへの浸透:レッドコンプレックスの隠れ家を攻略

レッドコンプレックスは、バイオフィルムと呼ばれる膜状の集合体の中に潜んでいます。バイオフィルムは、細菌が作り出す防御壁であり、通常の抗菌薬が浸透しにくいため、治療が困難でした。しかし、CPCはバイオフィルム内部にまで浸透し、レッドコンプレックスを直接攻撃することができます。これは、従来の抗菌薬とは一線を画す、CPCの大きな強みです。

2. 菌の細胞膜破壊:レッドコンプレックスの弱点を突く

CPCは、レッドコンプレックスを含む細菌の細胞膜を直接破壊することで、菌の死滅を促します。細胞膜は、細菌の生存に不可欠な構造であり、その破壊は細菌にとって致命的な打撃となります。CPCは、この細胞膜を効率的に破壊することで、レッドコンプレックスを確実に撃退することができます。

3. 炎症抑制効果:歯周組織の回復を促進

レッドコンプレックスは、歯周組織に炎症を引き起こす主要な原因の一つと考えられています。炎症は歯周組織の破壊を招き、歯周病の悪化に繋がります。CPCは、炎症を引き起こす物質の産生を抑制し、炎症細胞の活性化を抑制することで、歯周組織の炎症を抑制する効果を持ちます。これにより、歯周組織の回復を促進し、歯周病の改善に貢献します。

4. 臨床研究における成果:CPCの効果を裏付けるエビデンス

近年、CPC配合のマウスウォッシュを使用した臨床研究において、レッドコンプレックスによる歯周病の悪化を防ぎ、症状を改善する効果が示されています。これらの研究結果は、CPCがレッドコンプレックスに対する有効な治療法であることを裏付けています。

5. マウスウォッシュ選びのポイント:自分に合ったCPC製品を選ぶ

CPC配合のマウスウォッシュは、レッドコンプレックスを含む歯周病菌に対して高い抗菌作用を発揮することが研究で示されています。しかし、全てのCPC製品が同じ効果を持つわけではありません。自分に合ったCPC製品を選ぶためには、以下のポイントを参考にしましょう。

  • CPCの濃度: CPCの濃度が高いほど、抗菌効果が高くなります。
  • ただし、高濃度の製品は刺激が強い場合があるため、注意が必要です。
  • その他の成分: CPC以外にも、IPMP、CHX、エッセンシャルオイルなど、様々な薬効成分が配合されたマウスウォッシュがあります。それぞれの成分の特徴を理解し、自分の口腔内の状態に合ったものを選びましょう。
  • 効果: 口臭予防、歯周病予防、虫歯予防など、様々な効果を持つマウスウォッシュがあります。自分の求める効果に合ったものを選ぶようにしましょう。
  • 使用感: 味や香り、刺激感なども考慮して、自分に合った使用感のマウスウォッシュを選びましょう。

6. マウスウォッシュの効果的な使い方:最大限の効果を得るために

マウスウォッシュを効果的に使用するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 歯磨き後の使用: 歯磨きで歯垢や食べかすを取り除いた後に、マウスウォッシュを使用しましょう。
  • 適量の使用: マウスウォッシュは、適量を口に含んで20~30秒ほどすすぎ、吐き出すようにしましょう。
  • すすぎ方の注意点: マウスウォッシュをすすぎすぎると、口の中の有効成分が洗い流されてしまうので、軽くすすぐ程度にとどめましょう。
  • 使用頻度: マウスウォッシュの使用頻度は、1日1~2回程度が目安です。ただし、口腔内の状態によっては、歯科医師の指示に従って使用頻度を調整する必要があります。

 

 

まとめ

CPC配合のマウスウォッシュは、レッドコンプレックスに対する高い抗菌作用と、歯周組織の炎症抑制効果を持ち、歯周病治療における新たな選択肢として注目されています。自分に合ったCPC製品を選び、正しい方法で使用することで、歯周病の予防と改善に役立てることができます。

次回は今回簡単に説明したレッドコンプレックスについて詳しく書きます。


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