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| 歯磨き粉の成分 ~ラウリル硫酸ナトリウム~
歯磨き粉の成分 ~ラウリル硫酸ナトリウム~
(2024年10月12日 6:00 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
今回は市販の多くの歯磨き粉に含まれる成分のひとつ、ラウリル硫酸ナトリウムについて書きます。
はじめに
皆さんは、普段使っている歯磨き粉の成分について、どれくらい知っていますか?
特に、よく耳にする「ラウリル硫酸ナトリウム」という成分。
この成分は、歯磨き粉の泡立ちをよくする界面活性剤として広く使われていますが、一方で「体に悪い」という噂も耳にすることがあります。
今回は、このラウリル硫酸ナトリウムについて、歯科医師の視点から詳しく解説していきます。
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)とは?
ラウリル硫酸ナトリウム(SLSとも呼ばれます)は、石油を原料とした合成界面活性剤の一種です。
水と油を混ぜ合わせる働きがあり、歯磨き粉の泡立ちをよくしたり、汚れを落とす効果を高めるために使用されている合成界面活性剤です。しかし、一方で、その安全性については様々な議論がされています。
SLSの安全性に関する懸念点
- 口腔粘膜への刺激: SLSは、口腔粘膜を刺激し、口内炎や味覚障害を引き起こす可能性が指摘されています。特に、敏感肌の人や、口腔内に傷がある場合は、症状が悪化する可能性があります。
- アレルギー反応: 一部の人の場合、SLSに対してアレルギー反応を起こすことがあります。皮膚のかゆみ、赤み、腫れなどの症状が現れることがあります。
- 皮膚への影響: 長期的にSLSに接触することで、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や敏感肌を引き起こす可能性が指摘されています。
- 環境への影響: SLSは生分解性が低く、環境中に残留し、水生生物に悪影響を与える可能性があります。
- 眼への影響: 目に入った場合、強い刺激となり、角膜損傷などの原因となる可能性があります。
SLSの毒性に関する研究
SLSの毒性に関する研究は数多く行われていますが、その結果は様々です。
動物実験では、高濃度のSLSを摂取させると、内臓への悪影響や発がん性が見られるという報告もありますが、ヒトへの影響については、明確な結論が出ていません。
SLSを含む製品の使用に関する注意点
- 口腔内の状態に合わせた選択: 口腔内に傷がある場合や、敏感肌の人は、SLSを含まない製品を選ぶ方が良いでしょう。
- 使用量に注意: 必要以上の量を使用すると、口腔粘膜への刺激が強まる可能性があります。
- すすぎをしっかりと: 使用後は、口の中をしっかりとすすぐようにしましょう。
- 眼に入らないように注意: 目に入った場合は、すぐに流水で洗い流し、医師に相談しましょう。
- 乳幼児への使用: 乳幼児の皮膚は大人に比べて薄く、敏感であるため、SLSを含む製品の使用は避けるべきです。
※上記の説明を読んで心理的に気になる方はSLSを含む製品不使用の方が良いのでは、と個人的には思います。
SLSフリー製品を選ぶメリットとデメリット
- メリット: 口腔粘膜への刺激が少なく、アレルギーのリスクも低い。
- デメリット: SLSを含んだ製品に比べて、泡立ちが少なく、洗浄力が弱い場合がある。価格がやや高くなる場合もある。
まとめ
SLSは、その強力な洗浄力から多くの製品に使用されていますが、安全性についてはまだ完全には解明されていません。特に、敏感肌の人や口腔内に傷がある人は、SLSを含む製品の使用には注意が必要です。
歯科医院として、患者さまには以下のことをお伝えしています。
- 歯磨き粉を選ぶ際は、成分表示をよく確認し、自分の口腔内の状態に合った製品を選ぶこと。
- SLSだけでなく、他の成分についても注意深く選ぶこと。
- 歯磨き粉選びに迷った場合は、歯科医師に相談すること。
- 定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の健康状態を把握し、適切なケアを受けることが重要です。
その他
- SLS以外の界面活性剤: SLSの代わりに使用される界面活性剤には、ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルアラニンNaなどがあります。これらの成分は、比較的肌への刺激が少ないとされています。
- 天然由来の界面活性剤: 植物由来の界面活性剤は、環境への負荷が少なく、肌への刺激も少ないとされています。
- オーラルケア製品の選び方: 歯磨き粉だけでなく、マウスウォッシュや歯磨き粉も、成分表示をよく確認して選びましょう。
練馬区石神井公園のスヴァラ歯科では、患者さま一人ひとりに合った口腔ケアのご提案をいたします。
お気軽にご相談ください。
より専門的な情報を知りたい方へ
- 日本医薬品添加剤協会: ラウリル硫酸ナトリウムに関する詳細な情報が掲載されています。
- 厚生労働省: 化学物質に関する情報が掲載されています。
これらの情報も参考にして、より深くSLSについて理解を深めてください。
免責事項
本記事の内容は、あくまでも一般的な情報であり、個々の症状や状態に対する医学的なアドバイスではありません。
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