スヴァラ歯科Blog
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水素の学会:参加記

(2024年5月28日 9:16 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

少し前の話ですが、医療分野での水素吸入の学会に参加しました。

 

国際水素医科学研究会 第4回セミナー:「水素:医療・健康の新たな可能性と未来」

2024年3月10日、東京大学伊藤謝恩ホールで開催された国際水素医科学研究会の第4回セミナーは、水素の医療分野における新たな可能性を探る貴重な機会でした。

このセミナーは、水素ガス吸入が医療と健康にもたらす利点を探求し、その未来を考えるためのものです。

 

 

セミナーのハイライト

  • 免疫の指標:赤木純児氏による免疫に関する最新の研究発表。
  • 私たちの免疫細胞の主力であるT細胞。CTL(細胞障害性T細胞)が、がんの微小環境内でがん細胞を倒し続けると、CTLのがんに対する攻撃力が低下することが知られています。 これは、「免疫疲弊」と言われますが、水素を吸入することでこの疲弊したT細胞がフレッシュな元気な状態に戻ることが発表されました。
  • 分子状水素吸入の臨床応用:カニカ・ポーンプットクン氏によるタイ、チェンマイ住民への水素吸入の適用可能性についての議論。チェンマイ市ってpm2.5による大気汚染がひどいそうですが、水素を吸入することで体内に取り込まれてしまった重金属を輩出するデータが発表されました。
  • 水素ガス吸入の安全性と可能性:イムジャイ・チタパナルックス氏による頭頸部癌治療における水素ガス吸入の前向きな研究結果。
  • 眼科疾患と水素吸入:渥美一成氏による高濃度水素吸入が眼血流に及ぼす影響の研究。昔に比べて目を酷使する我々現代人にとって非常に興味不快発表でした。
  • 水素・栄養療法の健康効果:宮川路子氏による水素水の健康への効果に関する研究。栄養療法を最大限生かすため水素吸入が非常に有効と感じます。
  • 水素医療の基礎と臨床応用:萬憲彰氏による水素医療の基礎知識と新しい臨床応用の可能性についての紹介。私の医院ではこうしてみたらもっと患者さんに還元できるなとアイデアがわいてくる発表。
  • 臨床現場での実際:私が個人的に交流のある和久晋三氏による日々の臨床での実際の症例報告。町医者である和久先生がどのように治療に取り入れているのかが参考になりました。

患者さんへのメッセージ

このセミナーは、水素が医療分野でどのように活用され得るか、そして私たちの健康にどのように貢献できるかを理解するための素晴らしい機会でした。

水素吸入が持つ抗酸化作用や炎症抑制効果は、特に歯科治療においても非常に有益であると考えられています。今後、このような治療法が一般的になる可能性がありますので、最新の情報に注目してください。

 

まとめ

国際水素医科学研究会の第4回セミナーは、水素の医療分野における新たな可能性を探るための重要なステップでした。参加された専門家たちは、水素が私たちの健康に与える影響についての貴重な知見を共有しました。これらの知見は、将来の治療法の開発に大きな影響を与えることでしょう。

 

練馬区石神井公園のスヴァラ歯科では患者さんが楽に健康元気でご機嫌な毎日を過ごせるお手伝いをしていきます。


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フッ素がう蝕予防になるのは何故?

(2023年10月17日 10:18 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーと水素吸入で全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

今回はフッ素が何故う蝕(虫歯)予防になるのかお伝えします。

 

う蝕は、口腔内に常在する細菌が糖分を発酵して酸を作り出し、歯質を溶かすことで起こります。

この過程では、歯質の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAP)が酸によって脱灰(溶解)されます。しかし、歯質中にフッ化物が存在すると、HAPよりも溶解度の低いフルオロアパタイト(FAP)やフッ化ハイドロキシアパタイト(FHAP)という結晶が形成されます。

これらの結晶は酸に対して強く抵抗性を持ちます。また、フッ化物は歯質中のカルシウムやリン酸と反応して再石灰化(再結晶化)を促進します。さらに、フッ化物は細菌の代謝系酵素を阻害して酸産生を抑制します5

 

つまり、フッ化物は歯質を強化し、細菌の活動を抑えることでう蝕を予防するのです。

 

では、水道水以外でフッ化物を摂取する方法はどれくらいの量なのでしょうか?

実は、日本では現在水道水へのフッ化物添加は行われていません。

しかし、世界では70年以上の歴史を持つ水道水フロリデーション(WF)という方法があります。これは、自然界で発見された飲料水中のフッ化物濃度とう蝕発生率との関係から見出された方法で、飲料水中のフッ化物濃度を約1ppm(1リットルあたり1ミリグラム)に調整することで、う蝕の発生を最大限抑えることができるというものです

この濃度は、お茶や海産物などに含まれるフッ化物と同程度かそれ以下です。WFは、WHOや国際歯科連盟などの専門機関によってその有効性と安全性が認められ、推奨されています。

 

 

日本では、水道水へのフッ化物添加は行われていませんが、フッ化物配合歯磨剤やフッ化物洗口液などの局所応用法があります。これらは、歯面に直接フッ化物を作用させることでう蝕を予防する方法です。特にフッ化物洗口液は、学校や施設などで集団で行うことができ、低コストで高効果なう蝕予防法として注目されています。

 

 

家庭で出来る具体的なフッ化物洗口液の使用方法は次のようになります

  • フッ化物の入った液で1分程度ぶくぶくうがいをします。毎日、もしくは週に1回程度行います。
  • うがいの量は、就学前の幼児では5~7ml、小学生以上では10mlです。
  • うがい後30分間は飲食・うがいを控えます。家庭では就寝前の歯磨きの後が適切です。

フッ化物洗口液の予防効果は、報告によって様々ですが約30~80%です。

第一大臼歯(いわゆる6歳臼歯)の萌出時期に合わせた開始と長期間継続することが効果を確かにするために必要です。またこの獲得した効果は洗口終了後も持続しています

フッ化物洗口液の安全性についても、多くの研究で確認されています。保育園児の洗口後の口腔内残留率は約10%です。週5回法の場合約0.2mgのフッ化物が口腔内に残ります。この量はフッ化物錠剤の投与基準量の0.5mg/日(3~6歳児)の半分以下で、お茶をコップ1~1.5杯飲んだときに摂取するフッ化物の量に相当します。また就学前児(体重20kg)が1回分の洗口液を全量(7ml中のフッ化物量は1.6mg)誤って飲んだとしても、急性中毒の心配はありません

 

以上のように、水道水以外でフッ化物を摂取する方法はいくつかありますが、過剰摂取には注意が必要です。フッ化物を一度に大量に摂取してしまうと、腹部症状や中毒症状を引き起こす可能性があります5。また、歯の形成期に過剰摂取すると、歯のフッ素症という白濁模様や褐色の色素沈着がみられる歯になることがあります6。そのため、正しい量と方法でフッ化物を使用することが大切です。

 

 

では、歯科医院で塗るフッ素はどうでしょう?

9000ppm程度のフッ化物が配合されたジェルを使用するのが一般的です。

9000ppmのフッ素量はどのくらいの量でしょう?
9000ppm=0.9%2000mg×0.009=18mgです。
また、1回の塗布後の口腔内残留フッ化物量は、1~3mgです。 つまり、この量のフッ素塗布1回では、急性中毒の心配は無く安全であると考えられています。
大人もフッ素塗布の効果は高いので、ご自分の歯を長持ちさせるためにおススメです。

 


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フッ化物と有機フッ素化合物の違いとは?②

(2023年9月29日 5:43 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーと水素吸入で全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

参考文献は以下の通りです。

1: 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について 2: PFOS PFOA に関するQ&A集 3: 大阪市:有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)について 4: PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 大阪市:有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)について : PFOS PFOA に関するQ&A集


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そもそも歯を磨く理由って何?その3~虫歯と歯周病の関係~

(2023年9月1日 3:19 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

歯を磨かなければならない理由についてのシリーズ、今回で最終回となります。

今回は、虫歯と歯周病の関係についてお話ししたいと思います。

 

皆さんは、虫歯と歯周病は別々の病気だと思っていませんか?

実は、虫歯と歯周病は密接に関係しています。

どちらも口の中にいる細菌が原因で起こる病気であり、どちらも放っておくと重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

 

では、具体的にどんな関係があるのでしょうか?

 

  • 虫歯が進行すると、歯の神経が露出したり、感染したりすることがあります。
  • その場合、根管治療(根の消毒)や抜歯などの処置が必要になります。
  • しかし、根管治療や抜歯は、歯を支える骨や組織にダメージを与えることがあります。
  • その結果、歯周病の進行を促進することがあります。
  • 歯周病が進行すると、歯ぐきや歯を支える骨が破壊されて、歯がグラグラになったり抜けたりすることがあります。その場合、インプラントやブリッジ、義歯(入れ歯)などの人工物で補うようになります。しかし、インプラントやブリッジは、自分の歯よりも細菌に感染しやすいのです。また、入れ歯は複雑な構造や樹脂の性質から細菌が付着しやすく汚れも落としにくいものなのです。その結果、虫歯の発生や再発を引き起こすことリスクが高くなってしまいます。

以上のように、虫歯と歯周病は相互に影響し合うことがあります。そのため、どちらも早期発見・早期治療が大切です。当院では最新の設備と技術でお口の中をしっかりチェックし悪い細菌の数を減らす努力を続けています。

 

このシリーズでは、歯を磨かなければならない理由についてお話ししました。

皆さんは、自分のお口の健康に自信がありますか?

もし何か気になることや不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。


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そもそも歯を磨く理由って何?その2ー歯周病の原因と予防方法について

(2023年8月16日 8:43 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回は、虫歯の原因と予防法についてお話しました。

今回はもう一つの口腔内の大敵、むしろ全身の健康を損なうという意味では虫歯の比ではないくらい危険度の高い歯周病(歯槽膿漏)についてお話ししたいと思います。

 

歯周病とは、口の中にいる細菌が歯ぐきや歯の根元に付着した歯垢や歯石を分解して毒素を作り出し、その毒素が歯ぐきや歯を支える骨を破壊することで起こる病気です。歯周病は放っておくと、歯ぐきが赤く腫れたり、出血したり、口臭がしたり、最悪の場合は歯がグラグラになったり抜けたりする恐れがあります。そのためここまで歯周病が進行したものは一般的には歯槽膿漏と呼ばれることもあります。

 

また、歯周病は口腔内だけでなく、全身の健康にも影響を与えることがあります。例えば、歯周病菌が血液に入って心臓や脳に感染したり、糖尿病や高血圧などの慢性疾患のリスクを高めたりすることがあります。

では、歯周病を予防するにはどうすれば良いでしょうか?

 

歯周病の予防法は、基本的には以下の3つです。

  • ①正しいブラッシングをする。
  • 毎食後や就寝前には必ず歯磨きをしましょう。また、フロスや歯間ブラシなどを使って、歯と歯の間や歯ぐきの隙間に残った食べカスを取り除きましょう。
  • ②歯垢や歯石を定期的に歯科医院で除去する。
  • 自分では取り切れない歯垢や歯石は、細菌の温床になります。当院では歯科衛生士が最新の設備と技術で歯周病治療を行っていきます。また、予防歯科の一環としてセルフケアグッズの処方も行っています。
  • ③健康的な生活習慣を心がける。喫煙やストレスは、免疫力を低下させて細菌に感染しやすくします。また、バランスの良い食事や十分な睡眠も大切です。

 

以上が、歯周病の原因と予防法についてのお話でした。

 

次回は、虫歯と歯周病の関係についてお話しします。お楽しみに!


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