スヴァラ歯科Blog
| 口腔衛生指導
レッドコンプレックスとは?
(2024年8月26日 8:25 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
前回はマウスウオッシュとレッドコンプレックスへの効果について書きました。
今回はレッドコンプレックスって何?ということについて書きます。
レッドコンプレックス:あなたの歯周病を悪化させる見えなくて恐ろしい敵
レッドコンプレックスとは何か?
「レッドコンプレックス」という言葉は、歯周病の分野で頻繁に耳にする用語ですが、その恐ろしさを深く理解している人は多くないかもしれません。
これは、歯周病の進行に深く関わっている3種類の細菌の総称であり、その強力な病原性から、歯周病の悪化に最も深く関与している存在として注目されています。
なぜ「レッドコンプレックス」と呼ばれるのか?
この名前には、これらの細菌の恐ろしい特徴が凝縮されています。
1. 血への異常な執着
これらの細菌は、まるで吸血鬼が血を求めるかのように、歯周ポケット内の出血に強く惹きつけられます。歯周病が進むと、歯と歯肉の間に隙間(歯周ポケット)ができ、出血しやすくなります。この出血から染み出るヘモグロビンという赤い色素に含まれる鉄分が、これらの細菌にとって格好の栄養源となるのです。鉄分は、細菌の増殖に必要な重要な栄養素であり、この鉄分を豊富に含む血液を栄養源とすることで、これらの細菌は爆発的に増殖します。
2. 複合的な攻撃性
レッドコンプレックスを構成する3種類の細菌は、単独で作用するだけでなく、互いに協力し合い、歯周組織を破壊するという高度な戦略を持っています。まるで一つの組織のように連携して活動するため、「複合体」という言葉が使われています。
- ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌):レッドコンプレックスのリーダー的存在。強力な毒素を産生し、歯周組織を破壊するだけでなく、他の細菌の攻撃を助ける働きも持っています。Pg菌は、歯周ポケット内にバイオフィルムと呼ばれる細菌の膜を作り出し、その中で他の細菌と共生することで、外部からの攻撃から身を守りながら、より効率的に歯周組織を破壊します。
- タンネレラ・フォーサイシア(Tf菌):Pg菌と共生し、Pg菌の活動を助けながら、歯周組織を破壊します。Tf菌は、Pg菌が産生する毒素の働きを強化する物質を産生し、歯周組織の破壊を加速させます。
- トレポネーマ・デンティコーラ(Td菌):らせん状の形状で歯周組織に深く食い込み、他の2つの菌と協力して、歯周組織を破壊します。Td菌は、歯周ポケットの深い部分に生息し、他の細菌が到達できないような場所でも感染を広げることができます。
これらの3種類の細菌は、それぞれ異なる役割を果たしながら、互いに協力することで、歯周組織に対する攻撃力を高めています。
3. 生存戦略の巧妙さ
レッドコンプレックスは、単に歯周組織を破壊するだけでなく、自身の生存戦略も非常に巧妙です。
- バイオフィルムの形成: Pg菌を中心に、バイオフィルムと呼ばれる強力な膜を作り出し、その中で他の細菌と共生することで、外部からの攻撃から身を守ります。このバイオフィルムは、抗生物質や免疫細胞の攻撃を効果的に防ぎ、細菌の生存を可能にします。
- 遺伝子変異: レッドコンプレックスを構成する細菌は、環境の変化に適応するために、頻繁に遺伝子変異を起こします。この遺伝子変異によって、抗生物質に対する耐性や、新しい種類の毒素を産生する能力を獲得し、より強力な病原体へと進化していきます。
レッドコンプレックスの恐ろしさを理解する
レッドコンプレックスは、単なる細菌の集まりではなく、高度な戦略を持ち、絶えず進化を続ける恐ろしい存在です。これらの細菌は、歯周病を引き起こすだけでなく、全身の健康にも深刻な影響を与える可能性があります。歯周病菌は、血管内に入り込み、心臓病、糖尿病、肺炎などの全身疾患を引き起こす原因となる可能性があります。
まとめ
レッドコンプレックスは、歯周病の悪化に最も深く関与している存在であり、その恐ろしさは、単なる細菌のレベルを超えています。
これらの細菌の巧妙な生存戦略と強力な病原性は、歯周病治療の難しさを物語っています。
しかし、適切な口腔ケアを行うことで、レッドコンプレックスの活動を抑制し、健康な歯を守ることができます。
口の中の環境は悪化するのは早く、良い状態にするには時間と手間がかかります。
石神井公園のスヴァラ歯科では、特に不具合を感じていない時からしっかりと歯周病治療・予防・メンテナンスをすることを推奨しています。
次回もレッドコンプレックスについて書ていきます。
マウスウオッシュの選び方
(2024年7月10日 9:53 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
前回はデンタルリンスとマウスウオッシュの違いについて書きました。
そうか!マウスウオッシュって想像以上に有益なんだね!
でも何を選べばいいのかな?
ですよね。
マウスウオッシュは、口臭予防や口内環境の改善に役立つアイテムです。
しかし、種類が多く、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、マウスウオッシュの選び方についてご紹介します。
1. 使用目的を明確にする
マウスウオッシュには様々な種類があり、それぞれ異なる効果が期待できます12。例えば、口臭予防を目的とするなら、爽快感を提供するタイプがおすすめです1。一方、歯周病や虫歯の予防を目指すなら、抗菌作用のあるタイプを選びましょう1。
2. アルコールの有無を確認する
マウスウオッシュには、アルコールを含むタイプとノンアルコールタイプがあります12。アルコールを含むタイプは、すっきりとした使用感や爽快感を味わえますが、刺激が強いため苦手な方もいます12。一方、ノンアルコールタイプは、口当たりがマイルドで低刺激なので、口の中が敏感な方や子どもにおすすめです12。
3. フレーバーを選ぶ
マウスウオッシュには様々なフレーバーがあります12。定番はさわやかなミント系の香味ですが、甘めのピーチやアップル、グレープフルーツなどの種類もあります12。好きな味のマウスウオッシュを選ぶことで、楽しく、継続して使えます12。
4. 容量・サイズを考慮する
マウスウオッシュには、一般的な500〜700ml程度のボトル容量だけでなく、様々なサイズが存在します12。家族全員が使用するなら、1,000mlの大容量サイズを購入すると経済的です12。オフィスや旅行や出張など外出先で使用したい方は、持ち運べる100ml以下のミニサイズのものや、使い切りの個包装タイプが便利です12。
以上のポイントを踏まえて、自分に合ったマウスウオッシュを選びましょう。そして、毎日の口内ケアに取り入れて、健康な口内環境を保ちましょう。
以上がマウスウオッシュの一番大まかな選び方を簡単に書きました。
そのうえで、次回はマウスウオッシュの薬効成分について書きます。
練馬区石神井公園のスヴァラ歯科では患者さんが楽に健康元気でご機嫌な毎日を過ごせるお手伝いをしていきます。
デンタルリンスとマウスウオッシュ
(2024年6月15日 4:50 PM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
皆さんはデンタルリンス(液体歯磨)とマウスウオッシュ(洗口液)の違いについてご存じですか?
今回は口腔ケアにおける両者の違いについて説明します。
まず、**デンタルリンス(液体歯磨)**についてです。
デンタルリンスは一言で言えば歯磨き粉の液体版で、歯ブラシを使って歯を直接磨くために使用されます。
主な目的は、歯垢や食べ物の残りを物理的に取り除くことです。
歯ブラシの毛が歯と歯茎の間や歯の隙間に入り込み、そこに溜まった歯垢を掻き出すための補助的な意味合いが強いでしょうかね。
また、デンタルリンスには通常、フッ素などの成分が含まれています。これらの成分は、歯のエナメル質を強化し、虫歯を予防する役割を果たします。皆さんご存じの通りフッ素は、エナメル質を再石灰化し、酸による溶解を防ぐことでこの効果を発揮します。
使い方は、ブラッシングの際に歯ブラシに適量をつけたり口に含みながら歯を磨きます。デンタルリンスは、歯磨き粉と同様に、歯の表面を直接磨くためのものであり、歯垢の除去と虫歯予防に効果があるとされています。
次に、**マウスウオッシュ(洗口液)**についてです。
マウスウオッシュは、ブラッシングだけでは届かない口の隅々まで浸透し、殺菌・抗菌作用を提供するために使用されます。マウスウオッシュは、口臭を防ぎ、歯周病を予防に貢献し、全体的な口腔の健康を維持するのに役立ちます。マウスウオッシュに含まれる成分は、口腔内の細菌を殺すか抑制することで、これらの効果を発揮します。
「じゃあマウスウオッシュだけで良いのでは?」と思うかもしれませんよね。
しかし、マウスウオッシュは歯を磨く代わりにはならず、あくまでもブラッシングとフロッシングの補完的な役割なのです。ブラッシングやフロッシングの後に、口をすすぐために使用します。マウスウオッシュは、口腔内を清潔に保つための補助的な手段であり、歯磨きやフロッシングだけでは取り除けない細菌を殺すことで、口臭の原因を取り除きます。
ライオンのHPでは以下のように両者の違いを記載しています。
【マウスウォッシュ、デンタルリンスは、ともに液体でできている製品ですが、歯ブラシによる歯みがきを行うかどうかに違いがあります。
マウスウォッシュは、口に入れてすすぎ、吐き出します。
デンタルリンスは、製品に記載されている使用方法(口に入れてすすいだあとに歯ブラシでブラッシングする、口に含んだまま歯ブラシでブラッシングするなど)を行うことで効果を発揮するもので、歯ブラシでブラッシングすることが必要です。
また、「液体ハミガキ」「液体歯磨」と記載されているものもあります。
デンタルリンスは歯みがき剤の一種ですが、清掃剤(研磨剤)は配合されていないため、練りハミガキに比べ一般的に着色(ステイン)を除去する機能は低くなります。】
以上がデンタルリンスとマウスウオッシュの違いについてのおおまかなな説明でした。
どちらも口腔ケアにおいて重要な役割を果たしますが、それぞれが異なる目的と利点を持っていることを理解することが重要です。それぞれの製品がどのように機能し、どのように使用すれば最大の効果を得られるかを理解することで、より効果的な口腔ケアが可能になります。
デンタルリンスとマウスウオッシュを適切に使用することで、口腔衛生を最適化し、健康な歯と口を維持することができます。それぞれの製品を選ぶ際には、自分のお口の状態と目標を考慮に入れ歯科医師・歯科衛生士に相談することをお勧めします。
それぞれが異なる機能を果たすため、一方を他方で置き換えることは推奨されません。
これらを適切に使用することで、健康な口腔を維持することができます。これにより、最適な口腔ケア習慣を確立し、健康な歯と口を維持することができます。練馬区石神井公園駅のスヴァラ歯科ではこれらの情報が、あなたの口腔ケアに役立つことを願っています。
そして、毎日の口腔ケア習慣に組み込むことでさらに良い結果が期待できますよ。
水素の学会:参加記
(2024年5月28日 9:16 AM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
少し前の話ですが、医療分野での水素吸入の学会に参加しました。
国際水素医科学研究会 第4回セミナー:「水素:医療・健康の新たな可能性と未来」
2024年3月10日、東京大学伊藤謝恩ホールで開催された国際水素医科学研究会の第4回セミナーは、水素の医療分野における新たな可能性を探る貴重な機会でした。
このセミナーは、水素ガス吸入が医療と健康にもたらす利点を探求し、その未来を考えるためのものです。
セミナーのハイライト
- 免疫の指標:赤木純児氏による免疫に関する最新の研究発表。
- 私たちの免疫細胞の主力であるT細胞。CTL(細胞障害性T細胞)が、がんの微小環境内でがん細胞を倒し続けると、CTLのがんに対する攻撃力が低下することが知られています。 これは、「免疫疲弊」と言われますが、水素を吸入することでこの疲弊したT細胞がフレッシュな元気な状態に戻ることが発表されました。
- 分子状水素吸入の臨床応用:カニカ・ポーンプットクン氏によるタイ、チェンマイ住民への水素吸入の適用可能性についての議論。チェンマイ市ってpm2.5による大気汚染がひどいそうですが、水素を吸入することで体内に取り込まれてしまった重金属を輩出するデータが発表されました。
- 水素ガス吸入の安全性と可能性:イムジャイ・チタパナルックス氏による頭頸部癌治療における水素ガス吸入の前向きな研究結果。
- 眼科疾患と水素吸入:渥美一成氏による高濃度水素吸入が眼血流に及ぼす影響の研究。昔に比べて目を酷使する我々現代人にとって非常に興味不快発表でした。
- 水素・栄養療法の健康効果:宮川路子氏による水素水の健康への効果に関する研究。栄養療法を最大限生かすため水素吸入が非常に有効と感じます。
- 水素医療の基礎と臨床応用:萬憲彰氏による水素医療の基礎知識と新しい臨床応用の可能性についての紹介。私の医院ではこうしてみたらもっと患者さんに還元できるなとアイデアがわいてくる発表。
- 臨床現場での実際:私が個人的に交流のある和久晋三氏による日々の臨床での実際の症例報告。町医者である和久先生がどのように治療に取り入れているのかが参考になりました。
患者さんへのメッセージ
このセミナーは、水素が医療分野でどのように活用され得るか、そして私たちの健康にどのように貢献できるかを理解するための素晴らしい機会でした。
水素吸入が持つ抗酸化作用や炎症抑制効果は、特に歯科治療においても非常に有益であると考えられています。今後、このような治療法が一般的になる可能性がありますので、最新の情報に注目してください。
まとめ
国際水素医科学研究会の第4回セミナーは、水素の医療分野における新たな可能性を探るための重要なステップでした。参加された専門家たちは、水素が私たちの健康に与える影響についての貴重な知見を共有しました。これらの知見は、将来の治療法の開発に大きな影響を与えることでしょう。
練馬区石神井公園のスヴァラ歯科では患者さんが楽に健康元気でご機嫌な毎日を過ごせるお手伝いをしていきます。
虫歯の予防法
(2024年4月18日 7:00 PM更新)
こんにちは!
歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、予防歯科とバクテリアセラピーと水素吸入で全身の健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。
冬の寒さと春先の花粉を口実にブログ、サボっておりました・・・ 😡
前回は、虫歯とは何か、どんな症状やリスクがあるかについてお話ししました。
今回は、虫歯の予防法についてお話しします。
虫歯を防ぐためには、以下の3つのポイントに注意する必要があります。
- プラークを除去する
- プラークは歯の表面に付着した細菌や食べかすなどのものです。
- プラークがたまると、細菌が酸を作り出し歯を溶かします。
- プラークを除去するためには機械的に除去、毎日2回以上、できれば歯磨きをすることが大切です。
- 歯磨きの仕方ですが、一般的に言われている方法は以下の通りです。
- 歯ブラシは毛先が丸く、柔らかめのものを選びます。
- 歯磨き粉はフッ素入りのものを使います。フッ素はエナメル質を強化し、酸に対抗します。
- 歯ブラシは歯と歯茎の境目に垂直に当て、小刻みに動かします。1本1本の歯を丁寧に磨きます。
- 歯間ブラシやフロスなどを使って、歯ブラシでは届かない隙間や裏側もきれいにします。
- 歯磨き後はうがいをしますが、すぐに水で口をすすがないようにします。フッ素を残しておくことで効果が持続します。
- 糖分を控える
- 糖分は細菌のエサになります。糖分を摂取すると、細菌が活発になり、酸を作り出します。
- 糖分を控えるためには、以下のことに気を付けます。
- 甘いものや炭水化物などの食べ物や飲み物は食事の時に摂ります。間食や食後のデザートは避けます。
- 食事後はすぐに歯磨きをします。できない場合はキシリトール100%のガムを噛んで唾液を出したり水でうがいをしておくと良いかもしれません。
- 飲み物は水やお茶など無糖のものを選びます。微糖表示のものは糖分がかなり多く入っているので特に注意が必要です。ジュースやコーラなどは酸性で歯に悪影響です。
- 唾液を増やす
- 唾液は酸を中和したり、歯を修復したりする働きがあります。唾液が少ないと、酸がたまりやすくなります。唾液を増やすためには、以下のことを行います。
- 水分補給をこまめにします。乾燥や発熱などで脱水状態になると唾液が減ります。
- ガムやチーズなどを噛んで唾液腺を刺激します。ただし、ガムは無糖のものに限ります。
- 唾液腺マッサージやストレッチなどで唾液腺の働きを良くします。
以上のように、虫歯の予防法は日常生活でできることばかりです。虫歯は予防できる病気です。ぜひ、これらのポイントを実践して、歯の健康を保ちましょう。
最後に、虫歯の治療法についてお話しします。お楽しみに!