スヴァラ歯科Blog
| 2025 | 10月

【石神井公園・スヴァラ歯科】歯科医が解説:パフォーマンスを引き出す「カスタムメイド」マウスガードの真価

(2025年10月31日 8:37 AM更新)


【練馬区・石神井公園で精密診療】歯科医が解説:パフォーマンスを引き出す「カスタムメイド」マウスガードの真価

 

前回は、マウスガードが「スポーツ選手専用の防具」という誤解を解き、日常生活でも歯や体を守る重要な役割があることをお伝えしました。

今回は、特にスポーツの現場で活躍する「スポーツマウスガード」に焦点を当て、カスタムメイドの意義と、選ぶ際の注意点を詳しく解説します。

こうした知見は、練馬区・石神井公園で診療を行う当院の日々の臨床にも根づいています。

スポーツマウスガードが必要とされる理由

スポーツの現場では、一瞬の衝突や転倒で歯や顎を傷めるリスクが常にあります。

バスケットボール、サッカー、ラグビー、野球、柔道、空手──競技の種類を問わず、口腔外傷は決して珍しくありません。

米ADAの報告によれば、マウスガードを装着していないアスリートは、装着している人に比べて口腔外傷のリスクが最大60倍高いとされています。

特に前歯は衝撃を受けやすく、破折や脱臼を起こすと治療にも長い時間と費用がかかります。

「もしあの時、マウスガードをしていれば…」

という後悔は、事前の予防でしか避けることはできません。

 


守るだけじゃない。パフォーマンスを支える理由

マウスガードというと「歯を守るための装置」という印象が強いですが、実際にはパフォーマンスを引き出すための装置でもあります。

スヴァラ歯科では、歯の保護に加えて、顎関節・筋肉・呼吸のバランスを整え、プレー中の安定性を高めることを重視しています。

① 食いしばりを安定させる

瞬発力を要するスポーツでは、無意識のうちに歯を強く噛みしめることがあります。

マウスガードを装着することで、力の方向が安定し、顎関節への過剰な負荷を避けながら、筋肉の力を効率的に発揮できます。

つまり、**“力のロスを防ぎ、効率的に発揮できる状態”**を作るサポートをします。

② 安心感が集中力を高める

歯を守っているという安心感は、体の余計な緊張を和らげ、集中力を高めます。

「怖さがなくなると、プレーに集中できる」

という声は多くの選手から聞かれます。

心理的安定は、結果としてプレーの質に直結します。

③ 衝撃を分散して頭部を守る可能性

歯と顎を通して頭部に伝わる衝撃を吸収・緩和することで、脳震盪(のうしんとう)リスクを減らす可能性も指摘されています。

研究は進行中ですが、安全性の観点から装着を推奨する動きは広がっています。

 


競技別に見る「口の中の危険度」

マウスガードが必要かどうかは、競技の“接触リスク”によって異なります。

以下は一般的なリスク分類の一例です。

 

  • ■ 高リスク競技(必須レベル)
  • ラグビー/アメフト/アイスホッケー/ボクシング/空手などの格闘技系
  • → 強い接触・衝突・打撃が多く、前歯や顎の外傷リスクが極めて高い。
  • 安全装備として装着が必須あるいは強く推奨されます。
  • ■ 中リスク競技(推奨レベル)
  • バスケットボール/サッカー/野球/ソフトボール
  • → ボールや肘、相手の頭部との偶発的な接触が多い。
  • 一瞬のプレーで歯を失うことがあるため、カスタムマウスガードの使用を推奨します。
  • ■ 低リスク競技(状況により推奨)
  • ゴルフ/陸上/ダンス/スキーなど非接触スポーツ
  • → 外傷リスクは低いものの、食いしばりによる非接触型ダメージを予防する意味で有効です。

たとえば、陸上の短距離選手ではスタート時の瞬発的な食いしばりが強く、顎や首の筋肉に負担がかかります。

 

 

スヴァラ歯科では競技の種類に関係なく、歯や顎に力がかかるスポーツにはすべてマウスガードが有効であると考えています。

 


「市販品」と「歯科医院製」ではまったく違う

「ネットやスポーツショップでも売っているし、それで十分では?」──そう考える方もいるかもしれません。

しかし、市販品(既製品)と歯科医院で作るカスタムメイドは、まったくの別物です。

■ 市販タイプの現実

市販のマウスガードは「ボイル&バイト式」と呼ばれる簡易タイプが主流です。

お湯で柔らかくして歯に押し当てて形を取る方法で、数千円程度と手軽に入手できます。

ただし、その“手軽さ”の裏には、見過ごせない多くのリスクがあります。

 

  • 適合が甘く外れやすい
  • 一見、歯型に合わせたように見えても、実際は歯列全体を均等に支えられず、ズレやすい構造です。
  • 外れかけた装置を無意識に噛み締めることで、顎や筋肉に余分な力がかかることもあります。
  • 会話や呼吸を妨げる
  • 形状や厚みが一律のため、舌の動きを妨げ、息苦しさや発声のしづらさを感じやすい傾向があります。
  • 「安全のためにつけているのに集中できない」という矛盾が起きやすく、試合中に外してしまう選手も少なくありません。
  • 衝撃吸収が不均一
  • 歯列に密着していないため、衝撃が一点に集中する致命的な欠点があります。
  • 結果として、一部の歯だけが強く押されて破折・動揺を招くことがあります。
  • 顎関節の左右バランスが崩れ、「顎が痛む」「口を開けると音が鳴る」といった症状に発展することもあります。
  • 衛生面・耐久性の問題
  • 柔らかい樹脂素材は汚れが付きやすく、細菌が繁殖しやすい構造です。
  • 使用を続けるうちに変形・変色が進み、数か月で保護性能が低下。
  • 清掃や乾燥が不十分だと口臭や歯肉炎の原因にもなります。
  • アフターケアがない
  • 市販品にはフィッティング調整や経過確認がありません。
  • 痛みや違和感が出ても原因を特定して修正する術がなく、買った瞬間以降は劣化する一方──これが現実です。

スヴァラ歯科で作るカスタムマウスガードの強み

スヴァラ歯科では、まず患者様お一人お一人の歯型を正確に採取し、そこから製作した模型をもとにカスタムメイドのマウスガードを成形します。

このプロセスにより、市販品にはない高い密着性外れにくい安定感を実現します。

さらに、装着時には必ず歯科医師が噛み合わせのバランスをチェックし、必要に応じて微調整

医療用で安全性の高い素材を使用し、呼吸や会話のしやすさにも配慮した、あなた専用の一枚を提供します。

 

私たちは「守るため」だけでなく、「パフォーマンスを最大化するための一枚」を目指しています。

 


まとめ:マウスガードは“攻めの予防”——一般診療にも活きる知見

マウスガードは「怪我を防ぐための守りの装置」と思われがちですが、実際には力を引き出すための“攻めの予防”でもあります。

しっかり噛めること、安心して全力を出せること──それは競技者に限らず、日常の健康づくりにもつながります。

また、カスタムマウスガード作製で培われる「咬合(噛み合わせ)評価」や「顎関節への配慮」は、むし歯の修復、セラミック治療、歯周病の咬合管理、定期検診での経過観察といった一般診療全体の質にも直結します

スヴァラ歯科は、「ただの治療で終わらせず、これからの元気を引き出す」という理念のもと、この専門性を活かし、マウスガードから日常のメンテナンスまで、長期的な健康を見据えた診療を行っています。

 

ご予約・受診案内

【石神井公園駅から徒歩圏内】

Web予約・受診案内はこちら:https://www.suvara.or.jp/first.html

お電話:03-3997-6875

 

※本ブログは一般的な情報提供を目的としています。競技やお口の状態により適した設計は異なります。気になる点がありましたら、個別にご相談ください。


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