スヴァラ歯科Blog
| その他

フッ素がう蝕予防になるのは何故?

(2023年10月17日 10:18 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーと水素吸入で全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

今回はフッ素が何故う蝕(虫歯)予防になるのかお伝えします。

 

う蝕は、口腔内に常在する細菌が糖分を発酵して酸を作り出し、歯質を溶かすことで起こります。

この過程では、歯質の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAP)が酸によって脱灰(溶解)されます。しかし、歯質中にフッ化物が存在すると、HAPよりも溶解度の低いフルオロアパタイト(FAP)やフッ化ハイドロキシアパタイト(FHAP)という結晶が形成されます。

これらの結晶は酸に対して強く抵抗性を持ちます。また、フッ化物は歯質中のカルシウムやリン酸と反応して再石灰化(再結晶化)を促進します。さらに、フッ化物は細菌の代謝系酵素を阻害して酸産生を抑制します5

 

つまり、フッ化物は歯質を強化し、細菌の活動を抑えることでう蝕を予防するのです。

 

では、水道水以外でフッ化物を摂取する方法はどれくらいの量なのでしょうか?

実は、日本では現在水道水へのフッ化物添加は行われていません。

しかし、世界では70年以上の歴史を持つ水道水フロリデーション(WF)という方法があります。これは、自然界で発見された飲料水中のフッ化物濃度とう蝕発生率との関係から見出された方法で、飲料水中のフッ化物濃度を約1ppm(1リットルあたり1ミリグラム)に調整することで、う蝕の発生を最大限抑えることができるというものです

この濃度は、お茶や海産物などに含まれるフッ化物と同程度かそれ以下です。WFは、WHOや国際歯科連盟などの専門機関によってその有効性と安全性が認められ、推奨されています。

 

 

日本では、水道水へのフッ化物添加は行われていませんが、フッ化物配合歯磨剤やフッ化物洗口液などの局所応用法があります。これらは、歯面に直接フッ化物を作用させることでう蝕を予防する方法です。特にフッ化物洗口液は、学校や施設などで集団で行うことができ、低コストで高効果なう蝕予防法として注目されています。

 

 

家庭で出来る具体的なフッ化物洗口液の使用方法は次のようになります

  • フッ化物の入った液で1分程度ぶくぶくうがいをします。毎日、もしくは週に1回程度行います。
  • うがいの量は、就学前の幼児では5~7ml、小学生以上では10mlです。
  • うがい後30分間は飲食・うがいを控えます。家庭では就寝前の歯磨きの後が適切です。

フッ化物洗口液の予防効果は、報告によって様々ですが約30~80%です。

第一大臼歯(いわゆる6歳臼歯)の萌出時期に合わせた開始と長期間継続することが効果を確かにするために必要です。またこの獲得した効果は洗口終了後も持続しています

フッ化物洗口液の安全性についても、多くの研究で確認されています。保育園児の洗口後の口腔内残留率は約10%です。週5回法の場合約0.2mgのフッ化物が口腔内に残ります。この量はフッ化物錠剤の投与基準量の0.5mg/日(3~6歳児)の半分以下で、お茶をコップ1~1.5杯飲んだときに摂取するフッ化物の量に相当します。また就学前児(体重20kg)が1回分の洗口液を全量(7ml中のフッ化物量は1.6mg)誤って飲んだとしても、急性中毒の心配はありません

 

以上のように、水道水以外でフッ化物を摂取する方法はいくつかありますが、過剰摂取には注意が必要です。フッ化物を一度に大量に摂取してしまうと、腹部症状や中毒症状を引き起こす可能性があります5。また、歯の形成期に過剰摂取すると、歯のフッ素症という白濁模様や褐色の色素沈着がみられる歯になることがあります6。そのため、正しい量と方法でフッ化物を使用することが大切です。

 

 

では、歯科医院で塗るフッ素はどうでしょう?

9000ppm程度のフッ化物が配合されたジェルを使用するのが一般的です。

9000ppmのフッ素量はどのくらいの量でしょう?
9000ppm=0.9%2000mg×0.009=18mgです。
また、1回の塗布後の口腔内残留フッ化物量は、1~3mgです。 つまり、この量のフッ素塗布1回では、急性中毒の心配は無く安全であると考えられています。
大人もフッ素塗布の効果は高いので、ご自分の歯を長持ちさせるためにおススメです。

 


 >>Blogメニューへ


フッ化物と有機フッ素化合物の違いとは?②

(2023年9月29日 5:43 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーと水素吸入で全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

参考文献は以下の通りです。

1: 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について 2: PFOS PFOA に関するQ&A集 3: 大阪市:有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)について 4: PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : 残留性有機汚染物質(POPs) – 環境省 : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは? 懸念される影響について : PFOS PFOA に関するQ&A集 : 大阪市:有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)について : PFOS PFOA に関するQ&A集


 >>Blogメニューへ


そもそも歯を磨く理由って何?その3~虫歯と歯周病の関係~

(2023年9月1日 3:19 PM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

歯を磨かなければならない理由についてのシリーズ、今回で最終回となります。

今回は、虫歯と歯周病の関係についてお話ししたいと思います。

 

皆さんは、虫歯と歯周病は別々の病気だと思っていませんか?

実は、虫歯と歯周病は密接に関係しています。

どちらも口の中にいる細菌が原因で起こる病気であり、どちらも放っておくと重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

 

では、具体的にどんな関係があるのでしょうか?

 

  • 虫歯が進行すると、歯の神経が露出したり、感染したりすることがあります。
  • その場合、根管治療(根の消毒)や抜歯などの処置が必要になります。
  • しかし、根管治療や抜歯は、歯を支える骨や組織にダメージを与えることがあります。
  • その結果、歯周病の進行を促進することがあります。
  • 歯周病が進行すると、歯ぐきや歯を支える骨が破壊されて、歯がグラグラになったり抜けたりすることがあります。その場合、インプラントやブリッジ、義歯(入れ歯)などの人工物で補うようになります。しかし、インプラントやブリッジは、自分の歯よりも細菌に感染しやすいのです。また、入れ歯は複雑な構造や樹脂の性質から細菌が付着しやすく汚れも落としにくいものなのです。その結果、虫歯の発生や再発を引き起こすことリスクが高くなってしまいます。

以上のように、虫歯と歯周病は相互に影響し合うことがあります。そのため、どちらも早期発見・早期治療が大切です。当院では最新の設備と技術でお口の中をしっかりチェックし悪い細菌の数を減らす努力を続けています。

 

このシリーズでは、歯を磨かなければならない理由についてお話ししました。

皆さんは、自分のお口の健康に自信がありますか?

もし何か気になることや不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。


 >>Blogメニューへ


そもそも歯を磨く理由って何?その2ー歯周病の原因と予防方法について

(2023年8月16日 8:43 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、可能な限り痛くない治療を目指す、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

 

前回は、虫歯の原因と予防法についてお話しました。

今回はもう一つの口腔内の大敵、むしろ全身の健康を損なうという意味では虫歯の比ではないくらい危険度の高い歯周病(歯槽膿漏)についてお話ししたいと思います。

 

歯周病とは、口の中にいる細菌が歯ぐきや歯の根元に付着した歯垢や歯石を分解して毒素を作り出し、その毒素が歯ぐきや歯を支える骨を破壊することで起こる病気です。歯周病は放っておくと、歯ぐきが赤く腫れたり、出血したり、口臭がしたり、最悪の場合は歯がグラグラになったり抜けたりする恐れがあります。そのためここまで歯周病が進行したものは一般的には歯槽膿漏と呼ばれることもあります。

 

また、歯周病は口腔内だけでなく、全身の健康にも影響を与えることがあります。例えば、歯周病菌が血液に入って心臓や脳に感染したり、糖尿病や高血圧などの慢性疾患のリスクを高めたりすることがあります。

では、歯周病を予防するにはどうすれば良いでしょうか?

 

歯周病の予防法は、基本的には以下の3つです。

  • ①正しいブラッシングをする。
  • 毎食後や就寝前には必ず歯磨きをしましょう。また、フロスや歯間ブラシなどを使って、歯と歯の間や歯ぐきの隙間に残った食べカスを取り除きましょう。
  • ②歯垢や歯石を定期的に歯科医院で除去する。
  • 自分では取り切れない歯垢や歯石は、細菌の温床になります。当院では歯科衛生士が最新の設備と技術で歯周病治療を行っていきます。また、予防歯科の一環としてセルフケアグッズの処方も行っています。
  • ③健康的な生活習慣を心がける。喫煙やストレスは、免疫力を低下させて細菌に感染しやすくします。また、バランスの良い食事や十分な睡眠も大切です。

 

以上が、歯周病の原因と予防法についてのお話でした。

 

次回は、虫歯と歯周病の関係についてお話しします。お楽しみに!


 >>Blogメニューへ


そもそも歯を磨く理由って何?その1ー虫歯の原因と予防方法について

(2023年8月1日 9:58 AM更新)


こんにちは!

歯の神経を守る、痛みに配慮、バクテリアセラピーで全身健康を目指す石神井公園駅の歯医者、スヴァラ歯科です。

 

皆さん、そもそも歯を磨く理由をご存じですか?

「虫歯になるから」「歯周病(歯槽膿漏)になるから」と答える方がほとんどだと思います。

 

その答え、もちろん正解です。

 

そのうえで私たち歯科医療従事者(つまりこの業界のプロ)としてもう少し皆さんに詳しく知ってほしいので、歯を磨かなければならない理由について何回かにわたってお話ししたいと思います。

今回は歯を磨く理由・虫歯予防についてお話いたします。

 

 

このブログをお読みの皆さんは毎日きちんと歯磨きをしていることと思います。

歯磨きはが大切なのは以下の理由です。

①口の中を清潔に保つ

②虫歯や歯周病などの病気を予防する

 

しかし、歯磨きを怠ったりやり方が間違っていたりすると口の中には細菌(を含む微生物)が増殖し歯や歯ぐきに悪影響を及ぼします。

 

細菌が増えると虫歯になるメカニズムを皆さんはご存じですか?

虫歯とは、口の中にいる細菌が食べ物の糖分を分解して酸を作り出し、その酸が歯を溶かすことで起こる細菌感染症です。

 

虫歯は放っておくと

歯が黒くなったり、痛みや腫れが出たり、最悪の場合は歯が抜けたりする可能性が高まります。

 

見た目が悪くなったり、痛みや腫れでやりたいことが制限されたり、歯が抜けて食事が美味しく感じられない、といった可能性が高まってしまうのです。

 

やはり虫歯って嫌ですよね。

そんな虫歯を予防するために以下の事を心がけて頂けると相当違いが出てくると思います。

 

①正しいブラッシングをしましょう。毎食後や就寝前には必ず歯磨きをしてほしいです。また、フロスや歯間ブラシなどを使って、歯と歯の間や歯ぐきの隙間に残ったプラークや食べカスを取り除くとさらに効果的です。

②甘いものや酸っぱいものを控えましょう。甘いものや酸っぱいものは細菌、特に虫歯菌の餌になります。特に就寝前に食べることで唾液の分泌が無くなる就寝中・夜中に細菌が活発に働きます。食べた後は必ず水で口をすすぎましょう。

③フッ素入りの歯磨き粉やうがい薬を使いましょう。フッ素は酸に強い歯質を作る効果があります。市販の歯磨き粉やうがい薬にはフッ素が含まれていますが量や種類によって効果は異なります。当院では歯科医院専売品を含めて皆さんのお口の状態に合わせて最適なフッ素製剤をご提案します。

④虫歯菌自体の割合を減らしましょう。マウスウォッシュや乳酸菌を使ってお口の中の虫歯菌そのものの割合を減らすことも効果的だと思います。

 

以上が歯を磨く理由・虫歯の原因と予防編でした。

次回は歯を磨く理由の歯周病編についてお話しします。

お楽しみに!


 >>Blogメニューへ


1 / 1412345...10...最後 »

Blogメニュー


>>Blogトップへ戻る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加